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2017年6月 2日 (金)

第373回

日本を背負っていく若者

国道1号線が渋滞していて、走行と追い越しの両車線とも、
止まっている時間のほうが長くなってきた。
事故渋滞だろうか。
ところで、1号線がこの地域に通っていることはちょっと自慢である。
だって、なんたって「1号」ですから。
国道がいったい何号まであるのかは知らないけど(調べる気もない)
1号ですからね、7号とかとは値打ちが違うし、なんて思うのである。
まぁ、それに昔の東海道だから長いし。
そんな自慢な1号線だけれど、渋滞したら自慢もクソもない。

渋滞中、走行車線にいると、隣の追い越し車線の車と並走することがある。
しかも止まる位置も同じだ。
そんなとき、こっちの車はキャブオーバーなので背が高く、
隣の車が乗用車なら見下ろす格好になるから少しばかし気を遣う。
だって、相手の視線に入らないところで、
覗いてる、みたいになるから。

まるでストップ&ゴーをリズムに合わせているかの如く、
並走している隣の車はオフィス機器関係の営業車のようだ。
白い小型バンのドアの横に社名が入っている。
その社名を確かめたくて、停車したときにグッと目線を近づけると、
何やら運転手がもぞもぞしている姿が見えた。
「何してる?」
おぉ、驚いた。なんと弁当を食っていた。
のり弁っぽい弁当をちゃんと箸を使って食っている。
それだけではない。
箸を持ったままスマホを操作している。
さらに、ハンドルの前のダッシュボードにはA4のファイルが開かれている。
もちろん、両手はハンドルにはない。
つまりこうだ。
停車中は左手にのり弁、右手に箸とスマホで、
スマホを操作しながら弁当を食って、
目の前にあるファイルに目を通している。

車が動き出すと左手の弁当は助手席へ、
スマホと箸は膝の上、
両手はハンドルでしっかり前を見て運転、
そして、また止まると、それぞれのアイテムは元の位置へ。

しかしなんとまぁ器用な兄ちゃん、と感心。
これって違法?でも停車中だからOKなわけ?
いやいややっぱり駄目でしょう。
年のころは20歳半ば、なんとなく新入社員のような気がする。
初々しさとやる気が伝わってくるから。
また食べっぷりがいい、
ガツガツ食うところも好感が持てる。
それに精度が高い。
決してスマホと箸を落としたりしないし、
ファイルのページは確実にめくるし、
のり弁をこぼしたりもしない、大したもんだ。
見えないけど、たぶんのり弁もキレに食べていると思う。
きっと米粒の一つも残っていないのだろう、
そういうところに育ちの良さがわかる。知らんけど。

弁当食う時間もないほど働いているんだろうな、と思う。
こういった若者が将来日本を支えてくれるのだから、
まだまだこの国も捨てたもんじゃない。
彼が将来、管理職になった時、
「弁当みたいなもんは移動中に食えばいいんだよ」
なんて部下たちに言うんだろうな。
「それに俺はな、食うだけじゃないぞ、
食いながら仕事もこなしてきたんだ」
と、ダメ押しするんだろうな。

5回ほどのストップ&ゴーで完食、
その後渋滞も解消されて彼は遠くに消えていった。

ところで、聞きたいんだけど、今、午前10時20分だけど、
それって「何メシ?」

1go

A1go

なんかカッコいい、アメリカのやつ。

犬は咬む、最終回

~それらは極めて冷静な判断によって執り行われています。~

その冷静さがよっくわかるのが咬む力です。
犬の咬む力は相当に強いです。
犬の咬む力を数値化していることがありますが、
それは全くあてになりませんし、
その数値を知ることはそれほど重要ではないですね。
ただ本気で咬むと殺傷能力は十分にあります。
犬にかまれたときに重症化しないのは、
犬の手加減です、つまり本気ではないということになります。
犬自身は本気で咬めばどうなるかは知っているし、
それが今必要でないことも知っています。
知っていて咬むんだから質が悪いって話にもなりますが、
そうではなく、犬は咬むけれど意外にも本気ではない、
威嚇で咬むのがほとんどであるということです。
もちろんその程度でも、激痛が走って出血、あるいは骨折することもあるでしょう。

対犬でも人でも重症化するときがありますが、
それは体力差が力の差になった時と、
興奮具合で歯止めが利かなくなった時です。
おそらく獲物を襲うときと、
本気で身の危険を感じた時以外は本気で咬まないでしょう

本気で咬まない犬の咬み方を「歯を当てる」と言い表しますが、
本気でないからという理由でこの問題から除外したりはしません
「歯を当てる」も咬むの一部として対処します。

咬む理由を知ることは咬む時を知ること、
そして咬まれない方法を探ることに繋がります。

咬む気持ちにさせないことは重要で、
何よりも追い詰めないことが一番効果的です。
もちろん、そのためにはその犬が何で追い詰めれたと、
感じるかを知る必要がありますが、
それは普段の生活の中で十分に探ることができるでしょう。
ただし、探る生活をしなければなりません、
こう言うととても息苦しい生活で生きがいを失くしてしまいそうですが、
「探る」のものが「思いやり」だと思えば自然にできるのではないでしょうか。

咬む気持ちになった犬にNoを言ってもその気持ちは収まりませんし、
仮に咬む行為を止められたとしても、
それは根本的な解決にはなりませんね。
もちろん、咬んでしまった結果よりは、
はるかにいい結果であることには違いありませんが。

家族を咬んで、他人を咬まないということはありませんし、
逆に他人を咬んで家族を咬まないということもありません。
咬まれるに差があるとするなら、
その原因を作っている方が咬まれるほうです。
家族の中の誰かが咬まれるとしたら、
その誰かは咬まれる原因を作っています。

他の犬は咬むけど他人は咬まない、これもありません。
唯一あるのは、家族は咬まないが、他犬は咬む、です。
これは家族を群れとしてみた場合の正しき状態ですし、
犬を飼うことの大きな魅力の一つとも言えます。
魅力という言葉を使うと、さらなる誤解を招きますが。

ここでもう一つの大きな問題に到達します。
それは「咬まないように育てることができますか」ということです。
答えは「できます」ですが、年齢が高いほど難しくなります。
反対に幼少期は思った以上に簡単です。
難しくなる理由は頑固になるとか、素直さがなくなる、とかではなく、
正反対の「咬むこと」を学んでしまったからです。
幼少期が楽な理由も同じです。「咬むこと」を学ばせないのです。
幼少期の咬まない犬に育てる策はありますが、
2歳を過ぎて「咬むこと」を学んでしまった犬を、
咬まない犬に育てる決定的な術は持っていません。
もしかしたら、そんな育て方はないかもしれないとすら思っています。
世の中には「それでも大丈夫」と言う専門家がいますが、
暴力によってその犬の心を封印してしまう方法を採用する専門家はいかがなものでしょう。
咬んでしまう勢いの程度にもよりますが、
それならまだ犬歯を削ってしまったほうがその犬は幸せでしょう

決定的な策がないうえで、事を避けるは有効だと思います。

犬はもともと無意味に咬むものではありませんから、
より多くの状況を避けなくても健全な犬生活は維持できるでしょう。
それができないほどの悲惨な状況ならあきらめるしかないかもしれませんが、
それは稀なことでしょう。

結論はありませんが、事の顛末としては、
「犬に咬ませてはいけないし、犬に咬まれてもいけない」
と言うことになります。
全く解決にも助言にもなっていませんが、
これは一つの妥協点だと考えています。

犬たちにとって咬むことは自然なことです。
咬まなければいけない場面もあります。
咬むときには必ず犬の正義としての理由があります。
しかし、我々はそれを認めません。
何があっても咬んではいけないことを求めます。
もちろんだからと言って、ほかの人や犬を傷つけてもいい理由はありません。
しかし、それと同じように咬むその犬も傷つけてはいけないのです。

咬んだ犬をあなたはこれでもかと言うほど叱ります。
そこに正当な理由があるにも関わらずそれを否定します。
犬の話すら聞こうとはしません。
咬んだ理由がもしかしたら、あなたを守るためだったかもしれません。
きっと尊厳を傷つけられたと思っているでしょう。
そして、この瞬間からあなたとの関係は壊れていきます。
不信と不安の中でこれから先ずっと飼われ続けなければなりません。
もしかしたら自死するかもしれません。
そんなことあり得ないと思っていますか?
チャンスがないだけですよ。
犬の自死は誰も研究していません、それは「無い」が前提だからです。
家出する犬をたくさん知っているのに、
事故に巻き込まれる犬をたくさん知っているのに。

咬む犬から犬としての幸せを奪ってはいけないですし、
そのことで人と共存できなくなっても、
あるいは一般的な家庭犬としての幸せを得られなくても、
その犬の尊厳は守ってやらなければなりません。
それが犬属の命をもてあそんだ人の役目です。
犬に咬まれたらその犬も人も不幸になります。
咬まない犬だけを求めるのではなく、
咬まれない自分も求めてください。
もう一度言います
「犬に咬ませてはいけないし、犬に咬まれてもいけない」です。

終わり。

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コメント

ななはち、さん。

ご無沙汰しています。
その苦労、お察しします。
当事者の方にとっては、
考え方や思い方で解決するほど簡単な問題ではないですからね。
「簡単に言うなっ」ってお叱りを受けることを覚悟で書いてます。

投稿: つかさき | 2017年6月 5日 (月) 11時03分

犬に咬ませてはいけないし、犬に咬まれてもいけない

...苦労しています。

投稿: ななはち | 2017年6月 3日 (土) 20時30分

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