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2017年4月21日 (金)

第367回

床下に何かいる。

縁側と言うか、ウッドデッキと言うか、
窓の外に板の間がある。
部屋の掃き出し窓から段差なく出られるので、
その板の間の床下はけっこう深い。
普通その床下は庭の地面と繋がっているから、
しかもそこそこの空間なので、知らず知らずのうちに物置化してしまう。
濡れ縁とも呼ばれているとおり、雨ざらしだから濡れて困るものは置けないが、
使わない植木鉢とか灯油ポリタンクなんかが常連となって、なんとも汚くなる。
で、それを防ぐために周囲を板で囲むわけなんだが、
そうなるとこの空間が秘密基地みたいになるから面白い。

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犬たちが時々、「床下になんかいるから見てくるわ」と言うので、
そんな時は囲んだ板を一部開けてやることにしている。
そしてその時に必ず「けったいなもの見つけたらあかんで」、
と念を押している。
「けったいな」とは関西弁で標準語では「変な」あるいは「正体不明」になるか。

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ここが開くようになっている。

かつてこの床下にいたけったいなものは、
稀少順に3位ムカデ、2位ヘビ、1位イタチだ。
以外では通年見かけるバッタの仲間でカマドウマ、ダンゴムシぐらい。

犬たちの勘は鋭いから、
「なんかいる、見てくる」と言った時は必ずなんかいるはず。
そして見つけたら、捕獲しないまでも追いだすことになる。
イタチは目にも止まらない速さで逃げて行ったが、
ヘビは尻尾に犬パンチを食らいながらの逃走だった。
ムカデは咥えられていた。

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ところがたまに誰もいない時がある。
誰かいる時の方が珍しいんだけど。
「おかしいな、誰もいないわ」と言って床下から出てくる。
それでもやっぱり気配はあるみたいで、
「ちょっともう一回見てくるわ」と言って、
何度か床下に潜り込む。
電灯もって一緒に潜り込んだ時もある。
だけどやはり誰もいなかった。
でも確かに気配はあるようで、きっと何かがいるのだろう。
その何かとは見えないものかもしれないし。

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家の中でも、ふとそんなことを考える時がある。
なんか気配を感じるんだな。
そしたら必ず中を確認するようにしている。
階段下の納戸や布団が入っている押入れに、
知らない間に誰か住んでいるかもしれない。
クローゼットの奥に隠し扉があって、他の世界と繋がっているかも、
と想像したら、ゴミ屋敷のように積まれた衣類をどけて確認してみる。
今は倉庫になっている屋根裏部屋も、気付かれないようにそーっと覗いてみたりする。
玄関の靴箱には小人が住んでいるかも。
他の人にそんなことをしているところを見られたら、ほとんど病気、
だけど感じるんだから仕方がない。

そう言うことってないですか、みなさん。

あっ、これ書いてて思い出した、怖い話。
来週したろか?

獣医さんの選び方、その3

獣医さんの産業的関わりとは少々おかしな言い方ですね、
要するに自分の仕事と割り切っている人、
と解釈してもらえばいいでしょう。
ちょっと険のある表現になるのは許していただきたい。

人の医療関係は常に緊急医療を念頭に考えますが、
動物医療の場合はそうではないですね。
よって当然獣医さん自身にも緊急医療に対する考え方はまちまちで、
そのことに積極的に取り組む人と、
完全に拒否する人がいます。
人の総合病院でない個人医院なんかも、
緊急医療については取り組んでいませんが、
総合病院が24時間体制になっていますから、
万が一、緊急医療が必要な時は、その専門に任せばいいわけです。
それはそれで拒否しているわけではなく、
そう言う体制で対処していると言えるでしょう。
ただし、24時間体制の総合病院が存在しない過疎地や離島は別ですが。

動物医療は総合病院は必要なくても、
24時間体制の救急病院は必要です。
しかし現実には大都市に1つあるかないかですね。
たまたまその救急病院に行ける範囲に住んでいるかどうかで、
その犬の命の扱いに差が出るのはなんともやりきれないでしょう。

確かに緊急受け入れを実施すると、獣医さんの任務は激化します。
獣医さん一人でやっておられる病院では不可能なことです。
しかし、なるべく対処してあげようという姿勢は責任としてあると思います。
なぜならその対処でその命の行く末が決まるからですね。
余談になりますが、
あらゆる仕事において「一人作業の危険性」が取り沙汰されています。
一人作業はもしその人に事態が起こったときに、
その本人も周りの人も命の危険に脅かされるからですね。
ワンマンカーのバスの運転手が気を失って、バスが暴走、
なんてことは二人作業なら防げたはずです。
そうするとコストが、なんてことをすぐに言い訳しますが、
重要なのは命を守ることであって、コストではないです。
しかし、利益がないと継続することはできません。
そうですね、だけどそこを何とかするのが技術であったり、
戦略であったり、アイデアだったりするわけです。
全ての事業所がそのバランスを模索しています。
近々きっと目を見張るような体制が実現されるでしょう。

しかし残念ながら獣医さんにはそう言った改革は起きないかもしれません。
獣医2名、看護師2名の配置を開業の条件にしたら、
だれも新しく動物病院を開業しないでしょう。
なぜなら緊急医療と遠いところにあるから獣医院を開業した人がたくさんいるからです。

私がこの事実を身をもって知ったのは20年ほど前です。
当時我が家の犬はジャーマンシェパードでした。
引っ越しした時に新しい家の近くで、
具体的には歩いて行ける距離で獣医さんを見つけなければいけませんでした。
幸い、獣医さん一人の小さな個人医院ばかりでしたが、
数件見つけることができました。
その中で最初に行った病院で、
連れている犬を見て診察前に話をされました。
その話とはジャーマンシェパードに胃捻転があること、
そして緊急手術が必要なこと、でした。
もちろん理解があることを説明しますと、
ならば話が早い、ということで、単刀直入に、
ジャーマンシェパードはいかなる診察でもお断りしています、
ということでした。
理由としては、緊急の胃捻転の手術ができないからでした。
深夜休日はもとより、開業中でも獣医一人、助手一人では対処できませんと。
さらに、予防接種等でかかりつけ医にされると、
緊急医療を断りにくいので、受診しないでほしいと言うことでした。
この時、確かに憤慨しましたが、
よくよく考えると、この獣医さんは正しく親切だと思います。
できない事、したくない事をはっきりと伝えるわけですから。
その後、残りの数件には、この事実を初めに説明しますと、
全員が同調されました。
嫌な態度ではなく真摯に受け答えいただきました。
中には体制の改革を求める意見を言われた獣医さんもおられました。
結局もとに住んでいた場所から、
通っていた獣医さんに今だお世話になっているのですが、
この時には随分と多くのことを学ばせていただきました。

緊急医療に取り組まないからダメな獣医さんではないですよ、
取り組めない体制に甘んじているのがよくないだけです。
最終的には診察や経営は秘密主義になっていきます。
獣医さんに質問するなんてもってのほか、と言う扱いなります。
やがて診察料も予防も不透明になります。
そこが良くない、という話です。

ところで、先ほどの最初に行った獣医さん、
もし、トイプードルが胃捻転で担ぎ込まれたらどうしたんでしょうね、
(もちろんトイプードルにも胃捻転は発症します)
胃捻転とわかっていて、あと数時間で手遅れになるとわかっていて、
ちょっと様子見ましょうって、言ったのでしょうか、
それとも他の病院に搬送したか、
あるいは事情を説明してそのまま安楽死を選んだか。
手術はしない、できないって言っている以上、
この3つしか選択肢は有りませんが、どうするんでしょうか。

続く。

次週はいよいよ、「獣医さんの選び方」で最後です。

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