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2017年4月28日 (金)

第368回

ドアスコープ

お約束です、夏じゃないですが怖い話します。
ウザイ?
そう言うなよ、したいんだよ。
人から聞いた話なので、作り話かどうかは知らない、って作り話に決まってる。
ただ、「あるかも」と言う怖さは確かにある。

怖いで~、知らんで~、夜中トイレ、トイレ~(遠いで~)。

コホ、ケホ…では、始めます。

そのころ新入社員だった私は社宅に住んでいました。
4階建てのビルで、独身寮として1Kのワンルームになっています。
エレベーターはありません。階段は建物の中央にあり、
私の部屋は4階の階段の右側、一番奥の端っこの部屋でした。

入社して1年ほどたったある日曜日の午後のことです。
外の共用廊下を移動する人影がキッチンの曇りガラス窓に映りました。
1Kですから、キッチンは玄関ドアの横に、シンクが共用廊下と平行にあります。
この部屋は端っこですから、その人影は私のところの来者に違いありません。
普通、すぐにドアホンが鳴るはずですが、一向に鳴りません。
それに間違いか何かで、戻る人影がキッチンの窓に映ることもありませんでした。
ドアホンが壊れていたらノックするか呼ばれるので、それもなさそうです。

奇妙な感じがしたので、玄関ドアのドアスコープを覗きました。
するとそこには若者が立っていました。
ほとんど手入れのされていない髪は額と耳を隠しています。
顔色は悪く真っ青です。
まばらな無精ひげが年齢を感じさせます。
おそらく私と同じぐらい、20代半ばでしょうか。
瞳が見えないほどの細い目はじっとこちらを見ていますが、
なぜか口元は目とは正反対に軽く微笑んでいます。

荷物が両手にあってドアホンのスイッチを押せないのだろうと、
勝手に判断し、「ハーイ」と返事をしながらドアを開けました。
しかし、そこには誰もいませんでした。

階段に続く共用廊下を目で追いかけましたが、
誰もいませんでした。
気のせい?理解不能のままドアを閉め、部屋に戻ると、
共用廊下に面しているキッチンの前の窓越しに、
誰かの影が移動しているのが見えました。
慌ててもう一度ドアを開けましたが、やはり誰もいませんでした。

この若者に次に会ったのは8年後です。
社内恋愛が実り、結婚が決まって、
この独身寮から引っ越しをするまさにその日でした。
全ての荷物をトラックに積み込み、鍵をかけて出かけるその時、
キッチンの窓に人影が走ります。
てっきり引っ越し屋さんだと思い、
玄関の鍵はかかっていないので、勝手に入ってくるだろうと思っていましたが、
ドアが開くことはありませんでした。
気になってドアスコープを覗くと、あの時の若者があのままの姿で立っていました。
覗いて見て、初めて思い出しました。
さっとドアを開けると、やはり誰もいませんでした。
そしてまた、ドアを閉め部屋に戻ると、
影が去っていくところがキッチンの窓越しに見えました。

結婚して15年念願のマンションを買いました。
会社は10年前に社宅を売却しました。
そして住宅手当を充実させました。
こう言ったこともマンションを買うきっかけになったと思います。
近頃のマンションはセキュリティーもしっかりしていて安心です。
ドアホンもカメラ付で人感センサーで作動し、
チャイムを鳴らす前に来訪者をモニターで確認できます。
また、静止画を保存することもできます。
マンションで生活し始めて1年後、転勤を命ぜられました。
子供も小さかったので単身赴任することにしました。

独身時代の一人暮らしの経験があったせいか、
単身赴任生活に支障をきたすようなことはありませんでした。
住むところもこっちで勝手に決めることができます。
ただし手当の上限を超えてはいけないので、
必然的に節約志向になり、1K物件に落ち着きます。

その日は飲み会があって少し遅い帰宅となりました。
金曜日だったので明日は会社が休みと言う状態が、
そうさせたのは言うまでもありません。
風呂から上がってくつろいでいると、
ふと、玄関のカギをちゃんとかけたか気になりました。
今はすっかり酔いも醒めていますが、帰ってきた直後は記憶があいまいです。
大丈夫でした、カギはちゃんとしてありました。
確認したのち、ふと、なぜかドアスコープを覗きました。
あの若者が初めて見た時のままそこに立っていました。
同じように口元だけが笑っていました。

その瞬間、携帯が鳴りました。妻からでした。
見知らぬ人が暗がりの中ドアの前に立っている、と言うものでした。
センサーが感知してリビングのモニターに映し出されたようです。
しばらく立っていたが、瞬きしている間に消えたそうです。
妻に画像を送るように言うと、すぐにメールで送られてきました。
そこに映っているのは今しがたドアスコープで見た人物とまったく同じでした。

いったい誰だろう、この世の者かあの世の者かもわかりません。
だた、きっと20数年間付きまとわれていたことに違いはありません。
そしてこれから先も。

お終い。

怖っわ、
ダメですよ、確認しに行っちゃ、
気になる?じゃ戸締りだけ確認。
絶体にドアスコープ覗いちゃだめですよ、
ダメだって、もし誰か立っていたらどうすんのよ。

Dasc

獣医さんの選び方、その4、最終回

さて、では何を基準に獣医さんを選ぶか、という話です。
おっと、その前に、
本当にすいませんでした。エラそうにいろいろ言い切ってしまいました。
さらに、最終回に及んでは「選ぶか」などと上から目線極まりないです。
どうかお許しください。
その上で、どうか文句なしに選ばれてやってください、
どうぞよろしくお願いします。

◎相性がいい。
すいません、いきなりここからスタートします。
なんだかんだ言って結局ここかい、って叱られそうですが、
ここです、間違いありません。
獣医さんと言葉を交わす前に、
あえて言うなら外の看板を見た時に相性がほぼほぼわかります。
社のいで立ちは社長の、しいては社の姿勢を伺い見ることができます。
漂う気は足が向くか向かないかを、玄関をまたげるかを判断できます。
なんとなくで十分なレベルでしょう、
よって救急じゃない時間の余裕のある時に一度訪問してみるといいでしょう。

◎玄関前に駐車場がある。
犬には救急車が来ない以上、自家用車で搬送することが前提ですし、
救急以外にも重症の場合も、近くであったにせよ、
離れた場所から病院へ運び入れることが不可能になります。
目の前に駐車場を設置していない病院は、
小型犬以外診察拒否だと思えるほど、駐車場は重要です。

◎ドクター、看護師が2名以上常駐している事。
この人員は緊急医療に対処できるぎりぎりでしょう。
あくまでも診察時間内において、です。
時間外の診療や救急搬送も選ぶ基準にしていないのは、
そうすると現実問題として選べないようになるからです。
中には公にしていませんが救急見ますよ、
と言って携帯電話のメモを渡してくれるドクターもいますが、
そういた場合は好意に甘んじるべきだと思いますし、
躊躇なく甘んじれるように、普段からの付き合いを考えてもらえばと思います。

◎混雑している。
犬の医療は研究し尽くされていませんから、
結局、数の勝負になります。
つまりその医院でどれほどの症例を扱ったかに、
頼らざるを得ない状況だということです。
マニュアルにはたくさんの症例は載っておらず、例題だけです。
よって症例の多さは患者の多さになります。
いつでも空いていて、待ち時間ほとんどない、
それは扱った症例の少なさを証明しているようなものです。

◎ドクターの年齢が50歳以上
上記と合わせて経験値がモノを言いますから、
当然キャリアが長い方がいいでしょう。
若いドクターがダメだと言っているわけではありません。
若くてもそれなりに多くの症例を経験しているなら間違いはありません。

◎犬に咬まれた経験が少ないドクター。
動物病院と言う場所は犬にとっては特異です。
よっておとなしい子でもつい、犬らしさを発揮してしまいます。
攻撃的になった犬には獣医さんも大変です。
自分が咬まれる危険がありますからね。
犬たちを手なずけるのではなく、
犬に咬ませないようにさせることが獣医さんには必要です。
触診ができなければ治療を進めることはできませんし、
獣医さんが咬まれても治療は不可能です。
犬が好きか嫌いではなく、怖いか怖くないかでもなく、
咬まれても平気でもなく、
犬に咬ませないように接することが重要です。

◎飼い主さんを叱らないドクター。
やたらと飼い主さんを叱るドクターがいます。
そうする気持ちはわかりますが、
はっきり申しまして、昭和の青春ドラマの見すぎです。
それに飼い主さんのカウンセリングが必要なのではなく、
今はその犬の治療が必要なのです。
気持ちはわかりますが‥‥
犬たちとは言語で分かり合えません。
よって犬たちの状態を一番近くにいる飼い主さんに聞くわけですが、
獣医さんの威圧的態度は真実を語らせず、
その場を取り繕うだけになります。
これでは問診の意味を成しません。

◎対等に話ができるドクター。
一番最初の相性とも関わってきますが、
何でも聞かれて、何でも聞ける関係がいいかと思います。
知らないことは知らないと言えるドクター、
込み入ったことを聞いたときに真摯に答えてくれるドクターです。

以上で終わりますが、
今かかりつけの獣医さんがいて、その関係がうまくいっているのなら、
あえてそれを壊す必要はないでしょう。
もし新しいかかりつけ医を見つける必要があるなら、
今回のことは十分お役に立てるでしょう。
口コミや評判は二の次にして、まずは自分で出かけて確かめましょう。

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